第11回　「新ショウガ」について

春の野菜がいっぱいの八百屋さんに初夏の野菜たちが顔を並べる季節になりました。
｢新ショウガ｣も出始めています。「ひね生姜」と言うのは一年中楽しめるショウガですが「新ショウガ」は夏の時期にしか出てきません。薬としても昔の人々に使われてきた生姜、どんなお料理にも使われ、さっぱりした味わいと香り、暑さの中で爽やかな風味を楽しみましょう。

【新ショウガ】
原産地は南アジアと言われています。中国では紀元前から薬用とされており、日本には３世紀ごろ中国から伝えられました。最初は｢呉（くれ）のハジカミ｣と言われていました。「ハジカミ」とは「顔をしかめるような」と言う意味があるようで、「ショウガ」と呼ばれるようになったのは江戸時代とのことです。ヨーロッパでは１４世紀ごろコショウに続くスパイスとして広まり普及し始めました。
｢新ショウガ｣の旬は、夏（5月〜8月）です。
根ショウガは9月から10月に収穫されたものが一年中出回ることになります。

「ショウガ」は栄養的にはあまり期待ができませんが、マンガンが野菜の中では多く含まれています。
多くの香り成分が含まれそれらは機能性成分として解毒作用、保湿作用、消化作用などがあります。
また、辛味の成分として、ジンゲロンとショウガオールがあります。ジンゲロンは消臭作用、抗菌作用があり、もう一つの成分ショウガオールは殺菌作用、消化作用を助け食欲増進をします。
他に蛋白質分解酵素のプロテアーゼも含まれています。
夏の時期食中毒などを防ぎ、食欲増進効果もある頼もしい野菜です。

「初夏から夏に出回る「ショウガ」は」
ショウガは茎の部分が肥大してできる塊茎です。
ショウガは茎の部分が肥大してできる塊茎です。
●新ショウガ⇒　品種名ではなく初夏に出回る根ショウガの根付に使ったショウガの上の部分にできたもので辛味が少ないショウガです。茎の付け根は鮮やかな紅色がしているものが良いでしょう。
●葉ショウガ⇒　新ショウガの育ち始め2〜3ｃｍになった時、葉をつけて収穫されたもの。根と葉の色が明確なものが良い。谷中ショウガは品種で初夏に出回ります。
●矢ショウガ⇒　葉ショウガよりさらに早採りのショウガ。「ハジカミ」として甘酢漬けにしたものが、焼き魚などについているものです

「新ショウガ」の保存法
新聞紙に包んで冷蔵庫で保存しましょう。ひねショウガは湿らせた新聞紙に包んで常温で保存可能です。
おろしたショウガは冷凍保存してもＯＫです。

「新ショウガ」の調理のポイント
○お肉が酵素の働きで柔らかく！
　蛋白質分解酵素プロテアーゼの働きにより肉が柔らかくなります。ショウガ焼きはこの作用を利用した料理です。
○ 魚や肉の臭み消し、殺菌効果を利用
　魚の煮つけなどにショウガを入れたり、蒸し料理などにも利用されますね。
○口直しとして
　甘酢漬けとして寿司のガリに、焼き魚の付け合せにしたりします。

ショウガは他に冷奴や鯵のたたきなどに薬味などでも多く登場。
また、中華では基本的な香辛料として、そしてお菓子の分野でも活躍！クッキーやケーキに。
飲み物にも良く使われていますね。
また、皮ごと使うと香りが良いです。絞り汁などは皮ごとおろして使うことをお薦めします。

薬としても利用されるショウガ
血行を良くして発汗を促進し、それにより熱を下げる作用が期待できます。他に咳を鎮めるなど昔から食事の中で多くの薬効を利用してきました。