第4回 「ナス」について

残暑が厳しい夏です。水分補給がとても大切だという風に、テレビでも盛んに言われています。
皆様、体調管理大丈夫でしょうか?
第4回目は「ナス」についてお話しましょう。
≪ナス≫
原産地はインドと言われています。もともと熱帯性の植物です。東南アジアでは古くから栽培されている重要な野菜で赤、黄、緑、白など色や形のナスが市場に並んでいます。日本のナスは濃い紫色がほとんどですが、ごく僅かにナスニンと言う紫色の色素ができず、葉緑素が形成される緑色の「青ナス」や葉緑素も形成されない「白ナス」が地方品種としてあります。
旬は7月〜10月、本来は夏野菜ですが秋茄子が美味しいと言われています。秋に収穫されるものは身も引き締まり種が少なく美味しいものが多いからでしょう。
ナスはほとんどが水分です。ビタミン、ミネラル類をまんべんなく含んではいますが、いずれも微量で栄養の薄い野菜なのです。でも、やはり夏野菜!ほてった体を冷やす効果があります。
皮に含まれる紫色の色素はナスニンと呼ばれるアントシアニン系の色素で強い抗酸化力があります。
ナスは低カロリーですが、油と相性の良い野菜、料理法によっては高カロリーになるので注意しましょう。
「ナス」は各地方により多くの種類があります。ここでは形、大きさで分けてみました。

●中長ナス⇒現在の主流品種。「千両ナス」
●長ナス⇒20〜2cm、煮付けに向く。「博多長」など。
●大長ナス⇒40〜45cm、煮付け、焼きナスに向く。「久留米長ナス」など
●小ナス⇒小型の丸ナス、漬物に向く。「民伝ナス」など。
●丸ナス⇒肉質がしまっている、煮物、田楽などに向く。「賀茂ナス」「深雪ナス」など。
●米ナス⇒へたが緑色のナス、丸ナスと同じ特徴。
●水ナス⇒他のナスに比べ水分が多い、浅漬け用のナス。「泉州水ナス」
他に赤ナス、青なす、白ナスなどがあります。

ナスは寒がりです!
熱帯性のナスは低温に弱い野菜です。5℃以下だと低温障害を起こします。できれば常温保存が理想ですが、買ってきたら冷蔵庫の野菜室に保管し2〜3日で食べましょう。
そして、水分が蒸発しやすく、風に当たるとしなれやすいので、ポリ袋に入れて保存しましょう。
ナスの料理は幅広い!
ナスは和食・洋食・中華となんでもOK。煮る、焼く、揚げる、漬物と幅広く使える野菜です。
しかし、アクの多い野菜のひとつで料理によってはアクを取ることが必要です。一般には水にさらしてアク抜きをしまが、水にさらし過ぎは禁物です!さらし過ぎは水っぽくなる上に、栄養分も流れ出てしまいますので、5分ぐらいにしましょう。そしてこのアクの成分はほとんどがポリフェノール類なので抗酸化作用も期待できるからです。油で揚げる場合は基本的にアクを抜く必要はありません。
地方品種豊かな「ナス」、これからも美味しい季節です。
一年中、食べることができる野菜ですが旬のときの野菜は栄養価が高いのです。
9月の「ミルポア」料理教室のテーマ野菜は「ナス」です。
基本的な日本料理をいたします。
お楽しみください。

吉祥寺の料理教室ミルポア

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