第14回 「ゴボウ」について


朝晩少しずつ過ごしやすくなっているものの、残暑がまだ厳しいですね。
でも、秋のお野菜、果物がいっぱい顔を見せています。
秋は根菜類が美味しくなる季節、根を食べる野菜は身体を温め、寒い冬に向かって身体を備えます。
今回の話は「ゴボウ」です
【ゴボウ】 キク科ゴボウ属
原産地はユーラシア大陸北東部、
日本には平安時代に中国より薬草として渡来しましたが、日本では平安末期には野菜として食べられていました。シャキシャキとした歯ざわりと香りが美味しい「ゴボウ」ですが、世界で食べるのは日本と韓国ぐらいでした。しかし今ではイタリアンやフレンチの食材でも使われるようになり、「ゴボウ」の美味しさが世界に広まってきています。
「ごぼう」の旬は10月〜12月頃ですが、「葉ゴボウ」「新ゴボウ」は5月〜7月頃味わうことができます。
「ゴボウ」は食物繊維が非常に多く、セルロース、リグニン、そして多糖類のイヌリンは野菜の中でもトップクラス。腸内環境を整え、イヌリンは血糖値を下げる効果があり、生活習慣病予防が期待できます。
他、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラル分を多く含み、意外と硬い野菜なのでしっかり噛んで食べる必要があり、噛む事はダイエットや肥満防止にも効果があります。
「ゴボウ」の種類
「ゴボウ」は大きく分けて長根種と短根種があります。それは耕土により違い、関東は耕土が深く水はけが良いので「長根種」、関西は耕土があまり深くないので「短根種」と言われています。
滝野川ゴボウ(長根種)⇒代表品種、江戸時代より東京滝野川で栽培されているゴボウ。
●堀川ゴボウ(長根種)⇒滝野川ゴボウの特別栽培品種。風味がよく、中が空洞でそこに詰め物をして食べる。京都の堀川で作られたもの。
●大浦ゴボウ(短根種)⇒
大きいものは直径10センチほどあり、中が空洞で詰め物をして食べる。
●新ゴボウ⇒初夏に出回る品種で柔らかく香りが良い。「夏ゴボウ」とも呼ばれる。
●葉ゴボウ⇒
柔らかい葉と茎を食べる。旬は5〜6月で食べられているのはほとんど関西地区
「ゴボウ」の選び方
なるべく泥付がお勧めです。
ひげ根が少なく、ひび割れがしていないもの、同じ太さでなく先に行くほど細くなっているものが良いでしょう。新ゴボウは葉柄が新鮮なものを選びましょう。
「ゴボウ」の保存法
ゴボウは乾燥すると硬くなり、うまみや香りがなくなります。
泥つきのものは新聞紙に包み冷暗所に、土に埋めておいても保存ができます。
洗ってあるものは適当に切り、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。
「ゴボウ」調理のポイント
●ゴボウはアクが強く空気に触れると黒く変色するので、これを防ぐために酢水につけますが、しかしこのアクの主成分はポリフェノールです。必要以上にアクを取ることは大事な栄養分も消失させるので油で炒めるときなどはアク取りが必要でないときもあります。
●香り成分と栄養が皮のところにあり、ゴボウの皮は薄いので軽く包丁の背でこそげ取るぐらいで充分です。洗いゴボウはたわしなどで表面を洗う程度でOKです。
料理教室「ミルポア」では10月「ゴボウ」の料理を紹介しています。
「きんぴら」名前は?
この料理名は江戸時代の芝居に登場する『金太郎』こと坂田金時の息子坂田金平にちなんだもの。
この金平も怪力を持つヒーローであり、ゴボウが精のつく食べ物と言われていたようで、当時「金平」は強く丈夫なものの代名詞としてるかわれていた。だから、この怪力にあやかって「きんぴらごぼう」と言われるようになったとか・・・・。

吉祥寺の料理教室ミルポア

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