第7回 「ハクサイ」について


寒さも本格化してきた冬、「ハクサイ」の美味しい季節です。
霜に耐えた「ハクサイ」は甘さも増して美味しいです。
1個買うと重たい野菜、持って帰るのが大変なのですが、是非1個買って食べ切ってみませんか?
≪ハクサイ≫
原産国は中国、西洋のキャベツに対して東洋を代表する野菜の1つです。
野生の品種からではなく、かぶと漬け菜類が自然に交雑して、栽培種の「ハクサイ」の原型ができたとのこと。大きくなるにつれて白い部分が伸びるため『白菜』と呼ばれるようになったと言われています。日本に入ってきたのは明治初期、本格的に栽培が始まったのは昭和になってからです。しかし現在は、需要が減っている野菜となりました。反対に西洋では白菜を使った料理が出されるようになっているようです。
ハクサイの旬は11月下旬から2月ごろで、晩秋から冬にかけて霜にあたると繊維が柔らかくなり、葉の糖分も増えて美味しくなります。主産地は茨城県・群馬県・長野県など、夏のハクサイは北海道がほとんどです。
ハクサイの栄養
抗癌作用が期待できるアブラナ科の野菜です。キャベツと成分が似ていますが、キャベツに比べて糖質が少なく、エネルギーが少ない野菜で生活習慣病を予防できる食材と言えるでしょう。水分が95%〜96%、ビタミンC、食物繊維が豊富な他カリウム、マグネシウム、亜鉛などが微量ながらまんべんなく含まれており、見た目より栄養が詰まっています。白菜のビタミンCは水に溶ける性質を持っていますが、たくさん食べる事により解消されますので、栄養の溶け出た汁ごと食べましょう。整腸作用、利尿作用も期待できる野菜です。
「ハクサイ」のいろいろ
●円筒形⇒頭部の葉が重なって結球するタイプで、現在多く出回っている品種。内側の葉が黄色身をおびた黄芯型が主流です。
●霜降り白菜⇒茨城県白菜栽培組合が育種したもの。普通の白菜よりも水分が少ないので糖度が高く、味の濃い白菜といえます。
●ミニ白菜⇒少人数向けに開発された小型品種。味は大型白菜と同じ。1キロ前後。
●オレンジ白菜⇒キャベツと交配して作られた中心が濃い黄色(オレンジ色)の白菜です。甘味が強くサラダなどに向きます。
●タケノコ白菜⇒長さ40〜50㎝、直径15㎝ほどの円筒形をしている。葉肉が硬めで煮崩れがしないので煮物に向きます。

ハクサイの保存
旬のハクサイは長持ちします。乾いた新聞紙にくるんで冷暗所に根の部分を立てて保存すれば2〜3週間は持ちます。カット売りされているものはラップに来るんで冷蔵庫に保存。
夏のハクサイは傷みやすいので、カット売りを必要な分だけ買うのがお勧めです。ラップにしっかりくるんで冷蔵庫で保存しましょう。
ハクサイの選び方
胴がよく張っていて重量感のある、切り口がかさついていないもの。外葉は巻きがしっかりしているもの。カットされている白菜は時間がたつと芯の部分が膨らんできますので、断面が平らで、葉と葉の間が詰まったものを選びましょう。
ハクサイの調理のポイント
○ 白菜に含まれるビタミンC、カリウムなどの栄養素は水に溶けやすい性質を持っているので、効果的に摂取するには汁ごと食べるのが一番です。
○ 葉と芯では火の通りが違うので切り方に気をつけましょう。
○ 白菜を縦に割るときは、根元から包丁を入れて手で裂くと葉がばらばらになりません。
○ 炒める時は水が出やすいので、強火で一気にいためるのがポイントです。
お薦めの「霜降り白菜」
本来霜に弱いハクサイですが、霜降り白菜は白菜の頭部をわらなどで縛り、わざと霜にあてることで外葉を犠牲にして中身を守りでんぷんをブドウ糖に変えるという防御反応を利用して甘味を増します。こうすることで、普通の白菜よりも水分が少ないのも特徴です。その結果、糖度が高く味の濃いハクサイとなっています。
収穫も普通は60日ぐらいですが霜降り白菜は20〜120日ほど遅らせて収穫します。
また土も特別なものを使用、霜降り白菜専用の完熟堆肥と100%有機肥料を使用することが義務付けられています。
健康な土からできた野菜は病気や害虫に強い健康な野菜が育つとのことです。
是非、見つけたら食べてみてください。

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