第1回 「キャベツ」について

こちらのコラムでは、皆様が日々よく目にされる野菜・果物の歴史や特色、珍しいフードなどをご紹介していきます。
第1回目は、キャベツです。
今では一年を通して、スーパー、八百屋、またコンビニでも売られているほどポピュラーな野菜ですが、ひとくちにキャベツといっても様々な種類や効能があります。そんなキャベツの意外な一面、またその特性を活かすにはどうしたらよいかをこちらのコラムでご紹介いたします。
このコラムを読んだあとは、キャベツを手にとってその意外性を実感してみてください。
≪キャベツ≫
古代ギリシャの数学者ピタゴラスは「キャベツは元気と落ち着いた気分を保つ野菜」と書いているそうです。また、古代ロシアの医療書には薬として扱われていました。
現代ではアメリカにおいて、がんを予防する食生活を考える「デザイナーフーズプログラム」と言うものがあり、その中でキャベツはニンニクに次いで2番目に高いがん予防効果のある野菜とされています。
キャベツは淡色野菜の中で、もっともビタミン・ミネラルなどの栄養価の高い野菜のひとつです。
豊富なビタミンA・Cと共に抗潰瘍成分のビタミンU(別名:キャベジン)がふくまれています。このビタミンはキャベツから発見されたものです。
食物繊維も豊富です。
キャベツに含まれるビタミンCは、外葉と芯に多く含まれています。これまで芯を捨てていた方は、ぜひ芯も召し上がってみてください。細かく刻んでスープの具にしたり、ゆっくり時間をかけて煮込むなどすれば、美味しくいただけます。
では、キャベツの様々な種類についてご紹介いたします。皆様がよく、店頭で見かけるのは下記の2つではないでしょうか。
●春キャベツ(新キャベツ)・・・巻きがゆるく柔らかい、生食向き。
●冬キャベツ(寒玉キャベツ)・・・巻きが硬く、煮込み向き。
この他に、紫キャベツ・グリーンボール・芽キャベツ・ちりめんキャベツなどがあります。
注目のキャベツ "キャンディーキャベツ"
静岡の湖西市で誕生した、非常に糖度が高い甘いキャベツです。
新種で生産量が少なく、市場で手に入れるのが難しい商品ではありますが、出会うことが出来たら、是非召し上がってみてください。
お薦めの食べ方は、生で焼き鳥と一緒に食べると、その甘みが焼き鳥の香ばしさとあいまって非常に美味しくいただけます。また、加熱しても美味しくいただける、万能キャベツです。
豆知識
とんかつのせん切りキャベツ!これこそ、キャベツを名わき役に仕立て上げた王道のメニューですが、このスタイルを始めたのは、東京銀座の「煉瓦亭」と言われています。
さて、その付けあわせにキャベツが選ばれている理由ですが、油で揚げたとんかつをキャベツのせん切りとともに食すことによって、脂肪の吸収を抑え、ビタミンUが胃腸をやさしく守ってくれる役割を果たしてくれていたのです。
とんかつの脇にキャベツがないのは見た目にもさみしいですが、実は消化吸収のことまで考えられている、黄金コンビだったのですね。

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