第15回 「ヤマノイモ」について


秋の味覚がお店に沢山並ぶ季節になりました。
日中は陽が暖かいのですが、夜はコートがほしくなる季節です。
食卓にも秋の味覚、そして温かい料理が並びだしているのではないでしょうか?
今回は「ヤマノイモ」をお話します。
【ヤマノイモ】について
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
日本でも歴史が古いという「やまのいも」、山芋として呼ばれてるもの、長芋、自然薯など呼ばれ方が統一されていません。日本で栽培されているものは大別して、ヤマノイモ、ジネンジョ、ダイジョ(大薯)の3品種群に分けられます。しかし、原産地はそれぞれ異なり、ヤマノイモは中国、ダイジョは東南アジア、ジネンジョは日本の山野に自生しています。
【ヤマノイモ】の旬は品種により少々違いますが、晩秋から冬、10月〜2月頃です。秋に収穫されたものが、数ヶ月貯蔵されると味が深まり、アクは少なくなるとのことです。
主成分はデンプンです。デンプン分解酵素のアミラーゼを含んでいるので、消化がよく生で食べられます。ネバネバ成分はムチンと言う糖タンパクです。他、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれる健康食品です。疲労回復、便秘改善、老化予防、肌荒れ予防などの効果があるとされています。
【ヤマノイモ】の種類
  • 自然薯⇒日本の山野に自生する天然の山芋。細長く1mぐらいで自然の状態ではクネクネ曲がって伸び、掘り出すのが大変なので流通が少ないです。天然のものは非常に粘りが強く、味も良いのです。最近は栽培種もあります。
  • 長芋⇒長い丸い筒状、きめは粗めで水分も多く粘りが弱いので、すりおろすより線切りや、包丁で叩くなどに向いています。一番多く流通して、値段も手ごろです。
  • 銀杏芋⇒関東では「大和芋」と言われます。粘りが強くとろろに向いています。
  • つくねいも⇒直径10cmくらいのボール状で関西では「大和芋」と呼ばれています。粘り気がとても強く、和菓子の原料にも使用されています。
  • むかご⇒長いもや自然薯の葉のつけねにできる小豆大の小さな芋。香りとコクがあります。
  • 大薯⇒九州などで少量栽培されている、熱帯産の芋。名前の通り大きな芋で40kgになる芋もあるります。
「ヤマノイモ」の選び方
長いもはまっすぐ伸びて太くふっくらとして、みずみずしいものを選びましょう。銀杏芋は皮の表面がなめらかで張りがあり、傷のないものを選びましょう。自然薯はあまり太くないもの、傷がなく重いもの。つくね芋は表面が乾いていなく、湿っているもの。重みがあり傷がないものを選びましょう
「ヤマノイモ」の保存法
新聞紙に包んで冷暗所に保存。カットしたものはラップに包んで、野菜室で保存。
すりおろしたものは冷凍保存も可能です。
「ヤマノイモ」調理のポイント
  • 長芋など生で食べるときは、シャキシャキ感がありますが、加熱するとホクホク感に変化します。すりおろしたものは生はとろとろですが、加熱したものはフワフワ感があります。
  • 加熱すると消化酵素は減少しますが、食感が楽しめます。
  • 皮をむいたとき変色を防ぐため、酢水であく抜きをします。その後洗ってぬめりも取りましょう。
料理教室「ミルポア」では11月「ヤマノイモ」の料理を紹介しています。
芋を触ってかゆくなったら?
かゆみは、皮付近に含まれているシュウ酸カルシウムの細かい結晶が手に刺さるためです。この物質は酸に弱いため、薄い酢水で洗うとかゆみを防げます。

吉祥寺の料理教室ミルポア

吉祥寺の料理教室ミルポアmirepoix